枚方市の元自動車工場内の人気カフェにオンリーワンのカフェスタンドを増床リフォーム「hitotoki STAND」

作っていく過程でどんどんよくなっていく!妥協しなくていい店舗づくりを初めて体験できました

京阪枚方公園駅から徒歩13分ほどのところにあるカフェダイニング「hitotoki」さん。

店内には枚方出身の絵本作家ミロコマチコさんによるダイナミックな壁画を見ることもでき、ランチやテイクアウトメニュー、さらにはデザートも充実した枚方市内外からも人気の高いお店です。【hitotoki公式サイトはこちら

さらに店舗自体は自動車修理工場の中にあるショールームをリノベーションしたという、隠れ屋的な面白さがあります。

そんなおしゃれで個性的なカフェダイニング「hitotoki」のオーナー姉妹である綾香さん(右)と沙希さん(左)は、お店にいろんな世代の人が自然と集ってくる「とまり木」をイメージされ、思い思いのひとときを過ごしてもらいたいという想いから「hitotoki(ヒトトキ)」と名付けられました。

そして今回、更に気軽に立ち寄ってもらえる新たな「とまり木」として、カフェスタンドを併設したいということで、共通の知り合いを通じて、お問い合わせいただきました。

カフェスタンドをやるならと、綾香さんが選んだのは、小豆島で惚れ込んだ「MINORI GELATO」のジェラート。
島でとれる旬の果物や野菜などの素材を使ったフレーバーや季節限定のジェラートが楽しめます。

ジェラートの保管に必要な冷凍庫などの機材、そしてカフェに合う佇まい、お客様への提供動線など踏まえて、元自動車工場内に唯一無二のカフェスタンド作りをさせていただきました。

ご依頼いただいたhitotokiオーナーの綾香さん(左)と沙希さん(右)、真ん中が代表 森山

【工期】
約3ヶ月間(6月〜9月)

■ご依頼当初のご要望

今回の依頼のきっかけとしては、既存のカフェのお客様の来店がすごく増えて、せっかくお越しいただいたのにご案内できないことが出てきたことで、「工場内の空いているスペースで何かできないか」と考え出したことだったそうです。

打ち合わせのようす

そうしていただいたご要望は、

★当初のご要望
・枚方の花火大会(9月15日)までに完成させたい(約3ヶ月間)
・店舗イメージがまだ固まっていないので一緒に考えてもらいたい

・できるだけ費用は抑えたい
・「元自動車工場」という特異性を活かしたい

というお話しで、具体的なイメージよりは、まずは叩き台から作ろうというお話しからスタートとなりました。

hitotokiさん

予算はもちろんですが、なかなか外観イメージも沸かず、どんなカタチがいいのかと長いこと悩んでいました。

自分たちでも調べつつ、周りの人に色々とイメージを広げていただいて、それを手がかりに森山さんが具体的にしてくれて、どんどんいい方向へ展開した店舗づくりになりました!

恐る恐るお願いして見積もりを出していただいたんですが、思ったよりすごくリーズナブルだったんです!びっくりしました。

■ Before・Afterの様子

Before

After

マットなモルタル風のデザインは、「自動車工場内にあるカフェ」との相性がとても良いです。

hitotokiさん

シャープだけれど、ナチュラル。
可愛さもカッコよさもやりすぎずに私達らしいデザインをイメージして、一緒にたくさん考えていただきました。

最大の特徴は、なんといってもこちらの連続窓。
スライドして開けられる窓は開け方によって使い方も様々。そして何より開放感抜群です!

ここから詳しくお伝えしていきます!

■ こだわりが詰まった、特注の連結ガラス戸

「hitotoki STAND」で一番のポイントとなったのは、ズラリと連なったお店の窓。
お店の正面に4枚、側面に5枚のスライド式のガラス戸を設置しました。

節がない木材は珍しく、10本に1本ほど。上の写真の左の柱は、ラッキーなことに節のない美しい貴重な木材でした。

沙希さんより、せっかくのきれいな柱や窓枠だから穴を開けずに鍵つけられますか?とオーダーをいただき、最初は吊り戸の案もありましたが、レールの窓にすることにしました。一般的には吊り戸なので、既製品はなく、100%建具屋さんの手作り。設計図は森山が作成して、建具屋さんも「これまでの経験上でもやったことがない」今回だけの特注品です。ギリギリのタイミングまで窓の高さや大きさに悩みながら進めました。

hitotokiさん

ミリ単位の溝や何センチ残すかなど、森山さんが図面におこして、寸法の計算をして、工事の方も夜遅くまで残ってやってくれました。

森山

良い木材を必要な数だけ発注していたので、現物のみで絶対に間違えられないプレッシャーはありましたね(笑)

連動引き戸になっている窓は、戸をスライドして1枚分の戸のスペースに寄せることができます。
まとめて寄せて開け放つと開放感が抜群です!

森山

窓の作り方や鍵の設置方法、サイズ感など、工程上ギリギリまで調整しました。

hitotokiさん

本当に大満足です!これにしてもらってよかったです!

そんな連動引き戸の窓をフルオープンにすれば、ジェラートのショーケースがドーンとお目見えします。直接覗きながらフレーバーを選ぶことがことができます。

お客さんから見ても、スタッフから見ても、ちょうどいい高さになりました。

実際にカウンター前に来てみると迫力を感じるほどの冷凍ショーケースは、約300キロの重さがあります。
施工中はこういった機器をどのタイミングでどのように搬入するか、どこに配置するかを考慮することがとても大切です。

森山

一般的に店舗のショーケースなどの機材は窓から搬入することが多いんですが、今回思ったよりも機材が大きくて、横に倒すしか窓から入れられない状況でした。
しかし横にすると機器が故障する可能性があるということで、倒さずに搬入するため、急遽、扉の幅を3センチほど広げて対応させていただきました。
そう言うこともあるかもしれないとドアの発注はギリギリまで止めていたので、無事にドアの大きさを変更できました。

カウンターには、固くて丈夫で幅広のタモ材を採用。メニューや商品を置いたり、受け渡しにも便利です。

また、一般的に店舗をつくるときはそれほど断熱材は使用しないのですが、ジェラートのショーケースは気温が影響しやすいということがあって、天候の変化に対応するために、今回は住宅のように床も壁も天井もきっちり断熱材を入れました。

それも、工事中に雨の日のお店の状況を見ていると、工場内とはいえまさに外だと言うことがわかったので、毎日現場へ足を運ぶことで気付くことは多いものです。

■ モルタル風なジョリパッド塗装で小豆島を感じる外装に

外装は「石の島」とも言われる小豆島を感じられるモルタル風に仕上げました。

元々壁面もモルタル仕上げの予定でしたが、モルタルのままだとやはりどうしても少しヒビ割れが起きてしまいました。そこでヒビや割れに強い「ジョリパット」という塗装材をモルタルの上に塗りました。

hitotokiさん

森山さんからの提案で塗装することにして、めっちゃいい色が選べて気に入っています。
シャープながら可愛い。ちょっとナチュラル感もあって、小豆島らしさもあって、可愛くなりすぎず。私達らしいカラーが出せてすごく良かったです!

カウンターや段差の角の部分を丸みのあるデザインにすることで、安全対策だけでなく柔らかな印象を与えます。

■ そのほかのリフォーム

hitotoki STANDのスタッフ出入り口の右奥にある、既存のトイレもリフォームさせていただきました。

ご依頼当初は出入り口の真横に続けてトイレを並べるイメージをしていましたが、奥まったままの方が使い勝手もコストも良さそうなので、ご提案させていただきました。

中は清潔感のあるシンプルな色合いで、お店に沿ったニュアンスカラーに。
ペーパーホルダーのブラックがとてもおしゃれに仕上がりました。

また当初は照明をつける予定はなかったのですが、照明がつけられるように、配線ダクトも設置しました。

このように、工事が始まってからの変更も多い「店舗のリフォーム」。
続いて、店舗リフォームと住宅リフォームの違いも合わせてご紹介します。

■店舗リフォームと住宅リフォームの違いとは?

①毎日確認と変更。代替案に対応できる経験も必要

店舗リフォームの現場は、まるで生き物です。
イレギュラーなことが多く、日々変更や調整に対応しないといけないことが多く発生します。

一般的な住宅(特に新築)では、既製品を組み合わせていくような作り方なので、ある程度パターンが決まっており、工程が読みやすいです。

カウンターに椅子の設置をなくし、高さを低く変更することで、窓を大きくとりました。

しかし店舗リフォームは店のつくりから機材、動線などを店舗特有のものにあわせる必要があります。特に高さの設定なども慎重に行います。

住宅であれば住人が使いやすい高さにすればOKですが、店舗は不特定多数のさまざまな人が来られても対応できるようにしなければいけない。そういった点が違いです。

また、今回のように建具などの特注仕様の納期調整は、これまでの経験的にお客様が納得いくよう、融通がきくようにギリギリまで調整させてもらっています。
そのために毎日現場に行って、確認とやり取りをしていくことが大切だと思っています。

hitotokiさん

森山さんが毎日来てくれることがすごく安心に繋がりました!
「こうなるけれどどうしますか?」と勝手に進めず、私達にわかりやすく説明してくれて相談や提案もすぐしてもらえたのも良かったですね。

②店舗のイメージを汲み取ること

今回はカフェとしてすでにオープンしていたお店の雰囲気をヒントにさせていただきました。
店舗を増床する時は、やはりその既存のお店の雰囲気や様子に合わせて考えたいと思っています。

ダイニングカフェ「hitotoki」の店内

リフォームでは、口頭で伝えていただくご要望以外にも、具体的なイメージ写真や好きなテイストが伝わる画像をたくさん用意していただけると、イメージを共有しやすくなります。今回もたくさんイメージ画像を用意してもらえたので、とても参考になりました。

森山

顔合わせのときは、店主さんがお若いので、僕みたいなおじさんの考えで付いていけるかな、と悩みましたが(笑)既存のカフェを参考にして、イメージを広げていきました。

hitotokiさん

打ち合わせの中で森山さんが提案してくれるものは私たちの好みのものばかりだったので、勝手に趣味が合うんだなと思ってました!(笑)
森山さんは話が早いので、本当にありがたかったでです!

③オンリーワンの”つくりもの”で工夫や楽しみを

今回の店舗リフォームは、先ほどご紹介した連動窓はもちろん、細かなものまで「つくりもの」を取り入れていただきました。

連動窓の鍵となる造作

先ほども少しありましたが、「節のない窓枠に、どうにか穴を開けずに鍵を設置することができないか」というご相談がありました。細い棒を立てかけておくだけでは、叩くと倒れるし、倒れずにしっかり固定できるものを・・・と悩みに悩んだ末、こちらのはめ込み型の支えを作成させていただきました。

hitotokiさん

上にも物が置けて、他で使い勝手もあるので「天才的な発想!」と盛り上がりました♪

そのほか冷凍庫の土台と、ステップも作成させていただきました。

窓枠の端材を使ったお店の看板

この立て看板は、端材を利用して店主さんが自分で作成されました。

デザインに見える溝は、なんと窓枠の上部の溝。
ユニークな発想とセンスに脱帽です!

そのほかの端材もなにかに生まれ変わりそうです。こっそり楽しみにしています。

パーテーション

これまでの話で、カフェが自動車工場内にあることからカフェがあると分かりづらいことが気になっていたという、お二人。
せっかくなので看板のような、ちょっと目立たせるものが欲しいということで、こちらのパーテーションを作成させていただきました。

ボード部分には、イラストや文字が描けるようになっていて、カフェやSTANDだけでなく、色々と発信していける興味深い看板となりました!ご自身で描かれた絵が魅力的で、店主さんのセンスも光ります。

これから、季節やイベントごとにいろんなイラストに変更されるそうです。
通りすがりの方にもじっくり見ていただけているようで、とても好評なのだとか。

また、今後は、元工場内のスペースにて様々なイベントもされる予定だそうです。

気になる実際の店舗はこちらです。
ぜひ素敵な店舗で美味しいヒトトキを味わってみてください。

■ hitotoki
住所:大阪府枚方市伊加賀西町11-22山田自動車工作所内
電話:072-861-1101
営業日時:
火・金・土:11:00〜18:00(LUNCH 15:00L.O.・CAFE 17:30L.O.)
水・木:11:00〜16:00(L.O.15:00)
定休日:日・月(不定休あり)
アクセス:枚方公園駅から徒歩13分
駐車場:無
Instagram :@hitotoki_
webページ:http://hitotoki-none.com/

■ hitotoki STAND
営業日時:金・土・日(不定休あり)
11:00〜18:00(L.O)

【hitotokiオーナーの綾香さんと沙希さんより頂戴したコメント】

シャープでかわいくて、ナチュラルな私達らしい店舗が完成してとても嬉しいです。

店舗施工って、理想から妥協しないといけないような変更があるものとばかり思っていたので、打ち合わせからブラッシュアップされて、どんどん良くなっていく森山さんの工事に本当に驚きました!

森山さんが毎日来て、気づいてくれたことが本当に大きかったと思います。

カフェを営業しながらの工事でしたが、来て頂いた職人さん方もとても気さくで、時間や音にも配慮してくれただけでなく、なんとカフェのお客様に駐輪場の誘導をしてくれていたりと、本当に親切にしていただきました。

安心してお任せできたことも、提案していただいたことも、全部結果的に良くて、私達も気持ちよくさせてもらいました。

森山さんが「それはできない」っていうなら、本当に無理なんだなと思えましたし、「難しいけどやってみます」と言ってくださったときは、思いっきり甘えちゃいました(笑)

今後はこのhitotoki STANDと工場内のスペースを合わせて、テラス席を設置したり、他のお店さんと出店したりイベントも開催したいと考えています。
想像がどんどん膨らむようなリフォームにしていただいて、本当にありがとうございました!

店舗のリフォームはオンリーワンのリフォームになることがほとんどです。
そのため、変更も多いし、材料に関する納期が厳しくなることも多くあります。
設置する機材に関しても様々なものを取り扱うことになるので、施主様とのコミュニケーションはしっかりとれないといけません。

なので、毎日はじめと終わりを必ず見る!確認する!
こういったことが大切になってくると思っています。

hitotokiのオーナーの施主様からは、たくさんのヒントをいただけたので、店舗イメージを共有することができ、大変感謝しております。

ご依頼いただきありがとうございました!今後のお話しも楽しみにしております。

私も小豆島のジェラートをいただきました

こういうお店をつくりたいけど、まだイメージが沸かない!という方も、ぜひご相談お待ちしています。
これ以上ない、オンリーワンの店舗づくりをお手伝いさせていただきます。

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